TOMODACHIノIEとは?
ゲストハウスイドコロから約7分。
全国に編集者自ら出向いて取材から執筆まで行う雑誌「nice things.」が
大阪の北浜に家のようなギャラリー空間を2018年1月にオープンし、
モノの素晴らしさや作られた方の思いなどを発信していく展示・交流スペースとなっております。
記事を読んだり、実際に手に取って眺めてみることで
唯一無二の品の奥ゆかしさを知ることができます。
築100年以上となる建物には
天井や窓などの一部は昔からのままになっており、
ものと調和する雰囲気を作り出しています。
1階にはカフェがあり、土佐堀川を眺めながら
ゆっくりした時間を過ごすことができます。
田中さんってどんな人?
「nice things.」の元編集者で、現在はTOMODACHIノIEにて家長として店頭に立っています。
雑誌で紹介する人やものはあくまで「雑誌の向こう側」にあるのですが、
実空間を開放することによって、誰でもが実物やそれを作る人の言葉にふれ、
親しみを持てるような場所にしたいと考えているそうです。
・「土から掘る器」:鹿児島・坊津の土を使用した器 / ONE KILN(鹿児島)
こちらのお皿は城戸さんのこだわりで、土の採掘から形づくり、
焼くまでほぼすべてご自身でつくられています。
そんなお皿の後ろにはロゴと一緒に実際に使われた土の緯度経度が彫られています。
置かれている机の下には素材の土があり、
手にもって触れることができます。
ものづくりの背景を垣間見えた気がして、
お皿に自分の気持ちが入り込み、
さらにお皿を大切する気持ちが膨らみます。
使っていくうちにかけたり、傷ついたりして味がでてくるお皿を見るたび、
心に咲く「幸せ」が積もってほっこりします。
・「ふたしごと」:蝋引き×帆布の鞄と袋 / 瀧川かずみ(東京)、木×漆のスプーン / 匙屋(岡山)
手間をかけて一仕事、もっと手間をかけると二(ふた)仕事。
大量生産大量消費の現代にはいかに手間をかけずに
コストを抑えてものを作るかを重要視してきましたが、
そんな現状に逆行するかのように手間暇かけて大事にものを作り上げていきます。
漆のスプーンは木をひとつずつ削って形に近づけていきます。
大変丈夫ですので、大切に使って漆を塗り直せば一生使うことができます。
クラフト紙の色を再現する為に、
カバンの素材である帆布に紅茶やコーヒーで染色を施している袋は
媒染の度合いで濃度を調節することができ、
どのカバンにするか迷います。
ロウでコーティングされている為、折り目に白い線が入りますが、
温めると白い線は消えるため、もともとの形でもいいですが、
生活の中でできる傷や線もまたいい味として楽しめます。
スプーンにしても、カバンにしても手間がかけられた素晴らしい品です。
・「成長物語」:鋏 / TAjiKA(兵庫)、真鍮・鉄製のペン / MUCU(東京)
日本ではほとんどの同業他社が廃業に追いやられてしまったはさみ業界ですが、
多鹿さんは鉄を打って伸ばして現代にも生きるデザインの鋏を作ります。
またMUCUさんの真鍮製のペン(写真中央)は丸みをおびたフォルムで手にフィットします。
重みがあるので紙にペンを置くだけですらすらと走り出し、書く快感を味わえます。
お二人が執筆したという文章も貼られています(写真左)。
文中で多鹿さんは、鋏はそれぞれの使い手によっても異なる愛着を抱かれつつ変形する道具だということを。
一方MUCUさんは子供が重いペンを床に落としてしまい、へこんでしまったが、
その窪みはそのトキの思い出となり、記憶が刻まれているのだと話していました。
お二人のお話を伺ってから再度見る鋏とペンはまた違った顔をしていました。
ものを見て感じた事、思った事、聞きたいことなどはこちらのお手紙箱に入れてみてはいかがでしょうか?
作られた方からメッセージをいただくこともできるかもしれません。
イドコロスタッフの為房さんが感じた事
今まではモノを買うとき、学生という事もあり値段や機能を重要視してしまい、
「どうせすぐ捨ててしまうからいいや。」と適当に選んでいました。
職人さんの思いと使っていくうちに積もる自分の記憶や思い出が混ざって
風合いを出していくことがいいなと思いました。
職人さんと私たちは今後会う機会はないかもしれないけれど、
品を通していつもつながっているような感じがします。
最後にメッセージ
今後は、イベントも企画し情報を発信していきたいとのことです。
2018年4月7日にはガラス作家の波多野裕子さんが在廊し、
石膏でできた型を割る工程や、ガラスを磨く様子など実際の作品の制作過程を見ることもできます。
ご興味がある方は是非TOMODACHIノIEに足を運んでみてはいかがでしょうか。
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